手のひらサイズ部品加工の極意!金属も樹脂も対応可能 – 榊原工機のものづくり

2025年9月22日
#ブログ
有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

はじめに:小さな部品に込められた大きな可能性

ガレージブランドや個人ブランドを展開している皆様、製品開発に携わる技術者の方々へ。手のひらに収まる小さな部品だからこそ、こんな悩みを抱えていませんか。

「この小さな部品、少しでもずれたら製品全体がダメになってしまう」 「金属と樹脂、どちらも使いたいけれど、対応してくれる加工業者が見つからない」 「試作品を作りたいけれど、小ロットでも高品質に仕上げてもらえるだろうか」

私たち榊原工機は、まさにそのような課題を解決するために存在する「小物部品加工の駆け込み寺」です。愛知県春日井市にある、ホームセンターとお風呂屋さんに挟まれた温かみのある町工場で、手のひらサイズの部品加工に特化した技術を磨き続けています。

今回は、なぜ手のひらサイズの部品加工に「極意」が必要なのか、そして榊原工機がどのようにして金属も樹脂も対応できる技術力を築き上げてきたのかを詳しくお話しします。

手のひらサイズ部品加工が特別な理由

精度への絶対的要求

手のひらサイズの部品は、その小ささゆえに極めて高い精度が求められます。大きな部品であれば許容される誤差も、小さな部品では致命的な問題となることがあります。

例えば、腕時計の歯車を想像してみてください。直径わずか数ミリの歯車でも、歯の形状が少しでもずれれば、時計全体が正常に動作しません。このように、手のひらサイズの部品では、ミクロン単位(1ミクロン=0.001ミリ)の精度が要求されることも珍しくありません。

私たちが過去に手がけた事例では、厚さ0.5ミリの金属プレートに直径0.1ミリの穴を100個開ける依頼がありました。一つ一つの穴の位置精度は±0.01ミリという厳しい要求でしたが、熟練の技術者が温度管理から振動対策まで徹底的に配慮することで、完璧な品質を実現できました。

材質選択の複雑さ

手のひらサイズの部品では、限られたスペースに求められる機能を詰め込むため、材質選択が非常に重要になります。軽量化したいなら樹脂、強度が必要なら金属、耐熱性が必要ならセラミック系材料といったように、用途に応じて最適な材質を選ぶ必要があります。

しかし、多くの加工業者は金属専門、樹脂専門と分かれており、複数の材質を組み合わせた部品を作る際には、別々の業者に依頼する手間が発生します。これが製品開発の足かせになることも少なくありません。

榊原工機では、金属加工で培った精密技術を樹脂加工にも応用し、お客様の多様なニーズに一貫して対応できる体制を整えています。

形状の複雑化への対応

現代の製品開発では、手のひらサイズの部品でも非常に複雑な形状が求められることが増えています。従来の平面的な加工だけでなく、立体的な曲面加工や内部構造を持つ部品も珍しくありません。

私たちが最近手がけた事例では、外観は単純な円筒形でありながら、内部に螺旋状の溝が刻まれた部品がありました。この部品は従来の3軸加工機では製作が困難でしたが、5軸加工機を使用することで、一度の段取りで完成させることができました。

榊原工機の「CREATIVE」なものづくり哲学

考え抜く設計アプローチ

私たちが「CREATIVE」を掲げる理由は、お客様からの図面を単純に加工するだけでなく、より良い製品を作るための提案を積極的に行うからです。

「この材質で本当に最適でしょうか」 「加工方法を変えることで、コストを下げつつ品質を向上できませんか」 「治具の設計を工夫すれば、より安定した品質が期待できます」

このように、私たちのエンジニアは常にお客様の立場に立って考え、最善の解決策を模索します。先日も、お客様が指定された材質よりもコストパフォーマンスの高い代替材料を提案し、大幅なコスト削減を実現した事例がありました。

材料選定における専門性

手のひらサイズの部品では、材料選定が製品の成功を左右します。私たちのエンジニアは、金属材料については強度、耐食性、加工性を、樹脂材料については耐熱性、絶縁性、軽量性を総合的に評価し、お客様の用途に最適な材料を提案します。

例えば、ステンレス鋼一つをとっても、SUS304、SUS316、SUS630など様々な種類があり、それぞれ特性が異なります。お客様の使用環境や予算に応じて、最適なグレードを選定することで、性能とコストのバランスを取った製品作りが可能になります。

機械選定の戦略性

榊原工機では、多様な加工機械を保有しており、部品の特性に応じて最適な機械を選定します。急な案件で最新鋭の5軸加工機が使用できない場合でも、マシニングセンタと汎用旋盤を組み合わせることで、同等の品質を実現する柔軟性を持っています。

最近の事例では、複雑な形状の樹脂部品を加工する際、通常であれば高価な専用機械が必要でしたが、既存の設備に専用治具を組み合わせることで、コストを大幅に削減しながら高品質な製品を完成させました。

多能工エンジニアと充実した設備群

考えて動く多能工の技術力

榊原工機の強みは、単一の機械操作に特化したオペレーターではなく、工程設計から加工方法の選定、治具の製作まで幅広く対応できる「多能工エンジニア」にあります。

彼らは金属加工の豊富な経験を基に、樹脂加工の特殊性も熟知しています。例えば、樹脂は金属と比べて熱伝導率が低いため、切削時の発熱による変形を防ぐための特別な配慮が必要です。また、静電気の発生を防ぐための対策も重要になります。

私たちのエンジニアは、このような材質ごとの特性を深く理解し、最適な切削条件を設定することで、どのような材質でも高品質な加工を実現しています。

問題解決への柔軟な対応力

製造現場では、図面通りに進まない場面が多々あります。材質の硬さが想定と異なる、加工中に予期しない問題が発生するなど、臨機応変な対応が求められます。

先日、焼入れ処理された高硬度の部品に追加工が必要な案件がありました。通常の切削工具では歯が立たない状況でしたが、ワイヤーカット加工を応用することで、熱による影響を最小限に抑えながら精密な加工を実現できました。

このように、一つの手法にこだわらず、様々な技術を組み合わせることで、困難な加工にも対応できるのが私たちの強みです。

多彩な設備による対応力

榊原工機では、お客様の多様なニーズに応えるため、以下のような設備を揃えています。

5軸加工機:複雑な立体形状や多面加工を一度の段取りで完成させることができます。手のひらサイズの精密部品では、段取り替えによる精度の劣化を防ぐことが重要で、この機械の威力を発揮します。

複合加工機:旋削加工とミーリング加工を一台で行えるため、工程の集約により精度向上とリードタイム短縮を実現します。円筒形状と平面加工が混在する部品に特に有効です。

ワイヤーカット:髪の毛より細いワイヤーで精密な切断加工を行います。硬度の高い材質や、熱による変形を嫌う精密部品の加工に威力を発揮します。

汎用性の高い加工機群:最新設備だけでなく、汎用性の高いマシニングセンタや旋盤も充実させることで、あらゆる加工に柔軟に対応できる体制を整えています。

榊原工機が提供する具体的価値

金属・樹脂の一貫対応

「金属も樹脂もご相談ください」という私たちのモットー通り、お客様が複数の材質を必要とする場合でも、榊原工機一社で全てを完結できます。これにより、以下のメリットが生まれます。

複数業者との調整が不要になり、プロジェクト管理が大幅に簡素化されます。品質基準が統一されるため、部品間の精度バラツキが最小限に抑えられます。納期管理が一元化されるため、プロジェクト全体のスケジュール調整がスムーズになります。

実際の事例として、医療機器メーカーのお客様から、ステンレス製の本体部品と樹脂製のカバー部品を同時に依頼いただいたことがあります。それぞれ異なる特性を持つ材質でしたが、統一された品質管理により、完璧にフィットする製品を納期通りにお届けできました。

ミクロン単位の精密加工

手のひらサイズの部品にこそ、その製品の核となる技術や思いが込められています。私たちは、お客様のこだわりを形にするため、ミクロン単位の精密加工技術を磨き続けています。

自社製品である「SAKAKI PUTTER」の開発過程で培った技術は、削り出しのステンレスや真鍮から高精度な製品を生み出す私たちの能力を証明しています。このパターは、プロゴルファーからも高い評価をいただいており、私たちの技術力の証明書とも言える製品です。

このような技術力は、お客様のオリジナル製品開発においても遺憾なく発揮されます。試作段階から量産まで、一貫した高品質を維持することで、お客様の製品価値向上に貢献しています。

試作・小ロット生産への特化

「榊原工機は少量・試作にトコトン強い会社です」という私たちの特徴は、多能工エンジニアの柔軟性と多様な設備の組み合わせによって実現されています。

新製品開発では、市場の反応を見ながら仕様を調整することが重要です。しかし、多くの加工業者は大量生産を前提としており、小ロットや頻繁な仕様変更には対応しづらいのが現実です。

私たちは、このような開発段階のお客様に寄り添い、スピーディーかつ柔軟に対応することで、製品開発サイクルの加速をサポートします。最近の事例では、お客様の急な仕様変更に対し、わずか3日で修正版の試作品を納品し、プロジェクトスケジュールの維持に貢献しました。

困難な加工への挑戦

「加工に困った」「納期に困った」といったお客様の声に対し、私たちは「いろいろ相談するよりも榊原工機1社で解決できることが多いです」とお答えしています。

特殊材質や複雑形状など、他社で断られるような困難な加工にも積極的に取り組みます。私たちのブログ「プロに聞きました」シリーズでは、「焼入れ鋼への追加工は可能か?」といった専門的な質問にも具体的に回答しており、長年の経験に基づく深い知識を公開しています。

最近では、航空宇宙産業で使用される特殊合金の加工を手がけました。通常の切削工具では対応できない硬度でしたが、特殊な工具と加工条件の組み合わせにより、要求仕様を満たす製品を完成させることができました。

ものづくり事例から学ぶ技術力

SAKAKI PUTTER開発ストーリー

私たちの技術力を最も分かりやすく示すのが、自社製品「SAKAKI PUTTER」の開発ストーリーです。このゴルフパターは、削り出しのステンレスと真鍮を組み合わせ、5軸加工技術を駆使して製作されています。

開発当初、パターのフェース面の平滑度は±0.005ミリという厳しい要求がありました。この精度を実現するため、温度管理された環境での加工、専用治具の開発、切削条件の最適化など、あらゆる要素を徹底的に検討しました。

結果として、プロゴルファーからも「打感が素晴らしい」と評価をいただける製品が完成しました。この経験で培った技術は、お客様のオリジナル製品開発にも活かされています。

急ぎの部品加工への対応事例

「急ぎで部品加工を発注するときのコツ」というブログ記事でも紹介していますが、私たちは緊急案件への対応にも定評があります。

ある自動車部品メーカーから、生産ラインで使用している治具が破損し、翌日までに代替品が必要という連絡がありました。通常であれば1週間程度必要な案件でしたが、多能工エンジニアが夜遅くまで作業することで、翌朝一番に納品することができました。

このような対応が可能なのは、設備の稼働状況を常に把握し、最適な作業手順を瞬時に組み立てることができる技術者の存在があるからです。

難加工材料への挑戦事例

「プロに聞きました」シリーズで紹介している「焼入れ鋼への追加工」は、多くのお客様から関心を寄せられている技術です。

焼入れ処理により硬度が上がった鋼材は、通常の切削加工が困難になります。しかし、適切な工具選択と加工条件の設定により、追加工が可能な場合があります。

実際の事例では、HRC60(硬度の単位)まで硬化した部品に、直径3ミリの穴を追加で開ける依頼がありました。ワイヤーカット加工を応用し、熱による影響を最小限に抑えながら、要求精度を満たす加工を実現しました。

温かい町工場の魅力

アットホームな環境での密なコミュニケーション

「ホームセンターとお風呂屋さんに挟まれたところにある工場に見えない町工場です」と紹介している通り、私たちの工場は木のぬくもりと緑にあふれた温かい雰囲気が特徴です。

このアットホームな環境は、お客様との密なコミュニケーションを生み出します。まだアイデア段階の漠然とした相談でも、お客様の話をじっくりと聞き、最適な加工方法を一緒に見つけ出すことができます。

最近では、個人発明家の方から「こんな部品を作りたいのですが、可能でしょうか」という相談を受けました。図面はなく、手書きのスケッチだけでしたが、詳しくお話を伺う中で要求仕様を明確にし、満足いただける製品を完成させることができました。

お客様に寄り添うサービス

私たちは「機械部品加工の駆け込み寺的存在」として、お客様の様々な困りごとに対応しています。技術的な相談から納期の相談まで、お客様の立場に立って最適な解決策を提案します。

「こんな相談をして良いのか分からない」という遠慮は不要です。手のひらサイズの部品に関することであれば、どのような些細なことでもお気軽にご相談ください。私たちの経験と技術で、きっとお役に立てるはずです。

継続的なパートナーシップ

一度ご依頼いただいたお客様とは、継続的なパートナーシップを築くことを大切にしています。製品の改良提案から新製品開発のサポートまで、お客様の事業発展に貢献できるよう努めています。

長年お付き合いいただいているお客様からは、「榊原工機に相談すれば何とかなる」という信頼をいただいており、これが私たちの最大の誇りです。

お問い合わせ・アクセス情報

各種お問い合わせ方法

試作開発のご相談、お見積りのご依頼、技術的なご質問など、どのようなことでもお気軽にお問い合わせください。

お電話でのお問い合わせ TEL: 0568-36-1628 受付時間: 9:00-18:00(12:00-13:00を除く) ※2024年1月より受付時間が9:00-17:00に変更予定 休日: 土・日・祝日

お急ぎの場合は、メールでの返信を待つよりも直接お電話いただくことをおすすめします。当社の社長はお話好きですので、詳しい状況を直接伺うことで、より迅速で的確な対応が可能です。

メールでのお問い合わせ ウェブサイトのお問い合わせフォームもご利用いただけます。図面や写真を添付してのご相談も可能ですので、詳細な情報をお送りいただくことで、より正確なお見積りを提供できます。

所在地 〒486-0932 愛知県春日井市松河戸町2-5-15

まとめとして、榊原工機は手のひらサイズの部品加工において、金属も樹脂も対応できる唯一無二の技術力を持った町工場です。お客様の「ものづくり」の夢を現実にするため、私たちの技術と知恵を総動員し、全力でサポートいたします。

あなたのアイデアを形にする最高のパートナーとして、榊原工機をぜひご活用ください。